業界情報:SBIリサーチ

「淘宝(タオバオ)」を3社に分割、柔軟かつ開放的なサービス展開へ

2011.07.04

背景:アリババグループの馬雲会長は2011年6月16日、傘下の「淘宝(タオバオ)」を「淘宝網(taobao.com)」、「淘宝商城(tmall.com)」、「一淘網 (etao.com) 」(通称「三淘」)の3社に分割すると発表した。分割後は3社ともに、総裁、董事長を置く経営体制を採る。「淘宝網」は総裁に姜鵬、董事長に陸兆禧を、「淘宝商城」は総裁に張勇、董事長に曾鳴を、「一淘網」は総裁に呉詠銘、董事長に彭蕾を、それぞれ起用する。アリババ側は、「グループ全体で将来株式上場する可能性は排除しないが、「三淘」としての上場や、「淘宝商城」のみを上場させるということではない」と説明した。

 

 分割の理由:上場目的ではなく、消費者の多様なニーズに対応するため

 

 艾瑞諮問(アイリサーチ)では、今回の「淘宝(タオバオ)」の3社分割は上場を目的としたものではなく、多様化するユーザのニーズに対応し、サービスを拡大するための選択であると分析している。なによりも、「淘宝(タオバオ)」は潤沢な資金を有しており、目先の投資目的にサービスの長期的な発展を犠牲にするということは考えにくい。アイリサーチの統計データによると、2010年の「淘宝(タオバオ)」全体の総収益は45億元近くに上り、うち八割が広告収入となっている。2011年以降、中国のマーケティング・リソースはひっ迫し、オンライン広告費が軒並み値上がりしている背景から、淘宝の広告収入が増加を見せた。これに「淘宝商城」に出店企業からの手数料収入を加えると資金繰りには十分余裕があり、上場による資金調達といったニーズは弱いといえる。

 

 また「淘宝」自身について言えば、主要サービスであるC2Cは停滞期に突入し始めている。ニセモノ商品やA貨(非常に精巧に作られた模造品)の流通による信用問題にさんざん悩まされてきたうえ、ユーザのB2Cサイトへの流出傾向により、「百度(バイドゥ)」、「騰訊(テンセント)」等の大手にEC市場でのシェアを脅かされ始めている。会社を新たに分割することで、淘宝が有するユーザリソースや情報、ビジネスにおける優位性などが、B2Cサイト「淘宝商城」、商品やサービス価格の検索サイト「「一淘網」」のサービス強化に寄与し、現ユーザの流出を防ぐと同時に、他社との競争を食い止める役目も果たしていくであろう。

 

 最後に、グループ全体のサービスを俯瞰してみると、アリババのサービス体系はB-B-Cの各ビジネスプロセスを中心に展開されていることがわかる。2011年1月にタオバオのサイト上に開設された※「無名良品」は、B2BサービスとタオバオのC2Cサービスを結び付ける試みであり、「大阿里」戦略とも称される。アリババグループ全体の発展という視点で見れば、まず第一に実行すべきは商取引システム全体の改善と統一の強化であり、事業再編によりC2Cプラットフォーム、B2Cプラットフォーム、サーチエンジンが各々経営を進めていくことでユーザのニーズに柔軟に対応し、「大阿里」戦略の拡大を後押ししていくであろう。

 ※「無名良品」・・アリババの会員(B2Bサプライヤーが主)が、C2Cプラットフォームであるタオバオ内に出品できるサービス

 

 

当ページ内容は、弊社親会社である中国アイリサーチ社日本語版ホームページからの転載となります。

ページURL:http://jp.iresearch.com.cn/view.aspx?id=68

 

【艾瑞諮詢集団】

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